この研究は、雌の成体のSprague-Dawleyラット54匹を2.45 GHzの高周波(RF)電磁界に単回または反復ばく露した後、脳の4つの解剖学的部位での酵素結合免疫吸着法(ELISA)および免疫組織化学検査により、熱ショックタンパク質-70(HSP-70)、グルココルチコイド受容体(GCR)、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)の誘導を示すバイオマーカーを調べた。ばく露による組織の加熱はなく、熱作用は排除された。その結果、体性感覚皮質、視床下部および海馬での急性ばく露または反復ばく露後に、GCRおよびHSP-70の漸減が認められたが、大脳辺縁皮質では反復ばく露後に両マーカーの値の有意な増加が認められた。脳組織でのGFAPの値には有意差は認められず、むしろ全ての脳領域で対照群よりも少なかった。これらの結果は、2.45 GHzへの反復ばく露は脳におけるGCRおよびHSP-70の調節異常を生じ、グリア細胞の増殖を生じることなく抗炎症作用を低下させ得るストレス状態のトリガとなり、神経系をより脆弱にすることを示唆している、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。