この研究は、マウスを出生後1日目から28日目まで4週間、比吸収率(SAR)4.0 W/kgの高周波(RF)電磁界に5時間/日全身ばく露し、海馬および初代培養海馬のニューロンへの影響を調べた。その結果、ばく露群では歯状回(DG)の樹状突起棘の総数の統計的に有意な減少が認められたが、海馬ニューロンのアンモン角(CA1)では認められなかった。特に、CA1およびDGでのキノコ型樹状突起棘の数に統計的に有意な減少が認められた。海馬ニューロンのCA1およびDGにおけるキノコ型樹状突起棘では、グルタミン酸受容体の発現が低下した。CA1およびDGにおける脳由来神経栄養因子(BDNF)の発現が統計的に有意に低下した。シナプス後肥厚部タンパク質95(PSD95)涙点の数は時間と共に徐々に増加したが、ばく露後のイン・ビトロでの日数が5、7および9日目に統計的に有意に減少した。BDNF発現の減少は細胞体に限定され、海馬ニューロンの神経突起には認められなかった。神経突起伸長の長さ、および枝の数には統計的に有意な減少が認められたが、海馬ニューロンの細胞体のサイズに変化は認められなかった。更に、ばく露群では記憶指数に統計的に有意な減少が認められ、初期の発達段階でのRFばく露後のシナプス密度の低下は記憶機能に影響を及ぼすかもしれないことが示唆された、と著者らは結論付けている。
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