この研究は、携帯電話の無線周波(RF)放射への脳の慢性ばく露に対するメラトニンの潜在的な防護効果を調べた。雄のWistarアルビノラット24匹を4群に等分し、第1群は対照群とした。第2群は2100 MHz RFに30分間/日、90日間ばく露した。第3群にはメラトニン(10 mg/kg/日)を90日間毎日皮下注射した。第4群にはRFばく露の40分前にメラトニンを皮下注射した後に30分間ばく露した。実験終了後、脳(大脳及び小脳)組織を摘出し、組織化学、免疫組織化学、超微細構造、ウェスタンブロット分析を実施した。脳の重量に加えて、プルキンエ細胞数、免疫組織化学Hスコア分析、ウェスタンブロットの結果を統計的に調べた。その結果、ばく露群では、神経浮腫、海馬CA1及びCA3領域でのニューロンの数の相対的な減少、プルキンエニューロンの変位、及び組織化学染色でのダークニューロンが認められた。RFばく露はNMDA[N-メチルD-アスパラギン酸]受容体2B/カルパイン-1/カスパーゼ-12経路、NMDA受容体2B及びカルパイン-1を活性化させ、この結果はウェスタンブロット分析で支持された。アポトーシス前のタンパク質合成の増加が電子顕微鏡で認められた。また、メラトニンは効果的だが、防護作用を生じるには十分ではないことも示された、と著者らは結論付けている。
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