この研究は、肝臓に対する静電界の影響を調べるため、ICRマウスを27.5 kV/m、34.7 kV/m、56.3 kV/mの静電界にばく露した。7、14、21日間のばく露後、肝機能に関する複数の指標(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、酸化ストレス(スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)、マロンジアルデヒド(MDA)))を検査した。その結果、27.5 kV/m及び34.7 kV/mへの35日間のばく露は、上述の指標に有意な影響を及ぼさなかった。56.3 kV/mでは、7及び14日間のばく露後に肝臓のSOD活性が有意に上昇したが、MDAの量、ならびにAST及びALTの活性には有意な増加は認められなかった。これらの結果から、56.3 kV/mへの7及び14日間のばく露のみが、SOD活性の増加により発現する一時的な酸化ストレス応答を肝臓に生じるが、酸化的損傷は生じないことが示唆された。この生物学的影響は、静電界ばく露による肝細胞のミトコンドリア膜電位の上昇と関連しているかも知れない、と著者らは述べている。
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