この研究は、ラットの膵臓のインスリン分泌及び抗酸化・酸化還元系に対するWi-Fi(2.45 GHz)電磁放射の影響を調べた。成獣の雄のSprague-Dawleyラット(体重230-260 g)を、対照群、疑似ばく露群、Wi-Fiばく露群に割付けた。長期ばく露(4時間/日、45日間)の後、腹腔内グルコース負荷試験中のグルコース及びインスリンの血漿レベルを測定した。ラットの膵臓における膵島インスリン分泌及び含量、脂質過酸化、抗酸化状態を判定した。その結果、ばく露群での体重増加は対照群よりも有意に少なかった(p < 0.05)。ばく露群には高血糖が認められた。ばく露群ではインスリンの血漿レベル、及びグルコースで刺激した膵島からのインスリン分泌が有意に減少した。Wi-Fiの電磁放射は脂質過酸化を有意に増加させ、膵臓におけるグルタチオン(GSH)レベル、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)活性を有意に低下させた。これらのデータは、Wi-Fiの電磁放射はラットの膵島において高血糖を生じ、酸化ストレスを増加させ、インスリン分泌を阻害することを示すものである、と著者らは結論付けている。
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