この研究は、異なる動作モード(発信中、受信中、待受け)の携帯電話電波への長期的なばく露が、成熟前の雄マウスに及ぼす影響を調べた。3週齢の雄マウスを、異なるモードの携帯電話電波(1800 MHz)に3時間/日、120日間ばく露した。精巣の組織学的構造及びテストステロンの血清値の変化をチェックするため、HE染色及びELISAをそれぞれ実施した。更に、酸化還元状態(活性酸素種(ROS)、一酸化窒素(NO)、マロンジアルデヒド(MDA)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx))の変化を生化学的推定で、精巣におけるアポトーシス促進タンパク質(p53、Bax)、活性前駆体カスパーゼ-3、全長/未切断PARP-1(DNA修復酵素)、抗アポトーシスタンパク質(Bcl-2、Bcl-xL)の活性の変化を免疫蛍光で、細胞基質チトクローム-cをウェスタンブロットでチェックした。その結果、対照群と比較して、全てのばく露群の精巣で、精細管直径、精子数、生存力の減少、生殖細胞のアポトーシスの増加、テストステロンの血清値の減少が認められた。また、携帯電話電波ばく露は3つの動作モード全てで、ROS、NO、MDAのレベル上昇及び抗酸化酵素のレベル低下を生じることで、精巣の酸化還元状態を変化させ、これが、アポトーシス促進タンパク質及びアポトーシスタンパク質の発現の増加、ならびに抗アポトーシスタンパク質の発現の減少により、精巣細胞におけるアポトーシス強化につながることが示された。この結果から、携帯電話電波への長期ばく露は、精巣細胞のアポトーシス及び精巣の機脳障害につながる酸化ストレスを生じる、と著者らは結論付けている。
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