この研究は、マイクロ波の電力および周波数と影響との関係を調べ、平均電力密度が同じ2つの異なる周波数のマイクロ波の蓄積効果を分析した。マイクロ波照射後、10 mW/cm^2の単一周波数ばく露群および累積ばく露群で、空間学習および記憶の低下、ならびに脳の電気活動の変動が認められた。また、認知機能障害を支持する海馬の形態学的証拠も認められた。更に、ニューロンにおけるニッスル量の減少から、ニューロンにおけるタンパク質ベースの代謝障害が示された。海馬におけるコリン作動性神経伝達物質代謝、サイトカイン、エネルギー代謝および酸化ストレスの重要な機能的タンパク質を検出することで、マイクロ波が複数の代謝障害につながり得ることが示された。この結果から、マイクロ波による認知低下は主に周波数ではなく電力で決まることが示された。傷害作用は累積ばく露群でも認められた、と著者らは報告している。
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