研究のタイプ: 医学／生物学の研究 (experimental study)

[静磁界へのばく露はインスリン遺伝子の転写の活性化および小胞分泌タンパク質の発現の上方制御によってラットINS-1細胞におけるインスリン分泌を増加させる] med./bio.

Exposure to static magnetic fields increases insulin secretion in rat INS-1 cells by activating the transcription of the insulin gene and up-regulating the expression of vesicle-secreted proteins

著者: Mao L, Wang H, Ma F, Guo Z, He H, Zhou H, Wang N
掲載誌: Int J Radiat Biol 2017; 93 (8): 831-840
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この研究は、ラットの膵島細胞腺腫INS-1細胞におけるインスリン分泌に対する静磁界の影響を評価し、その根底にあるメカニズムを探求した。INS-1細胞を400 mTの静磁界に72時間ばく露し、MTTアッセイで増殖を調べた。酵素免疫測定法（ELISA）でインスリン分泌を測定し、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応（PCR）で遺伝子発現を検出し、ウェスタンブロット法でタンパク質発現を検出した。その結果、静磁界ばく露はINS-1細胞による発現およびインスリン分泌を強めたが、細胞増殖には影響しなかった。更に、静磁界ばく露は複数の膵臓に特異的な転写因子の発現を上方制御した。特に、静磁界にばく露したINS-1細胞におけるインスリンプロモータの活性が強められ、シナプトソーム関連タンパク質25（SNAP-25）およびシンタキシン-1Aの発現レベルが上方制御された。著者らは、静磁界ばく露はインスリン遺伝子の転写の活性化および小胞分泌タンパク質の発現の上方制御によって、ラットのINS-1細胞におけるインスリン分泌をプロモートし得る、と結論付けている。

ばく露