研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[思春期層の安寧と彼らのワイヤレス電話使用との関連:横断的研究] epidem.

The relationship between adolescents' well-being and their wireless phone use: a cross-sectional study

掲載誌: Environ Health 2013; 12: 90

この研究は、若年者の主観的な安寧、無線電話使用の状況を質問票調査した結果を分析し、両者の関連性を調べた。この断面調査は、ニュージーランドのWellingtonの小中学校の生徒を対象に、2009年の6月中旬から10月に実施された。両親への質問票で、家庭内の電話、無線環境などを調査した。その結果、参加者は373 人(男子55.5%、女子44.2%)、平均年齢12.3歳(約10-14歳)、参加率は85%であった;携帯電話およびコードレス電話の通話回数と通話時間の申告値は、頭痛症状スコアと関連した(携帯電話で10分以上の通話回数が>6回/週の場合、OR= 2.4[95%信頼区間(CI)=1.2-4.8]、コードレス電話の使用時間が>15 分/日の場合、OR= 1.74[95%CI =1.1-2.9]、などを報告している。

研究の目的(著者による)

早期思春期層の安寧と彼らの自己申告による携帯電話及びコードレス電話またはWiFiの使用あるいはばく露との関連を調査するため、ニュージーランドにおいて横断的研究を実施した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ

リスク推定のタイプ:

ばく露

ばく露評価

ばく露集団

グループ 説明
参照集団 1 > 10分の携帯電話通話/週:0
集団 2 > 10分の携帯電話通話/週:1-6
集団 3 > 10分の携帯電話通話/週:7-35
参照集団 4 > 10分のコードレス電話通話/週:0
集団 5 > 10分のコードレス電話通話/週:1-2
集団 6 > 10分のコードレス電話通話/週:3-9
集団 7 > 10分のコードレス電話通話/週:10-120
参照集団 8 日常的なコードレス電話の使用分数:0-4
集団 9 日常的なコードレス電話の使用分数:5-15
集団 10 日常的なコードレス電話の使用分数:16-240
参照集団 11 携帯電話ヘッドセット:なし
集団 12 携帯電話ヘッドセット:有線
集団 13 携帯電話ヘッドセット:ワイヤレス
参照集団 14 コードレス電話の周波数:使用なし
集団 15 コードレス電話の周波数: ≤ 900 MHz
集団 16 コードレス電話の周波数: 1.8 - 1.9 GHz
集団 17 コードレス電話の周波数: 2.4 GHz
集団 18 コードレス電話の周波数: 5.8 GHz
参照集団 19 自宅のWiFi:なし
集団 20 自宅のWiFi:あり

調査対象集団

調査規模

タイプ
参加者 373
参加率 85 %
統計学的分析方法: (調整: )

結論(著者による)

研究参加者373人のうち285人(76.4%)が携帯電話を所有し、12.8%が他の誰かの携帯電話を定常的に使用していると報告した。ほとんどの参加者(91%)が自宅でのコードレス電話症を報告した。

携帯電話の通話件数及びコードレス電話の通話時間は、頭痛リスク上昇と関連していた(グループ3:OR 2.4、CI 1.2-4.8;グループ10:OR 1.74、CI 1.1-2.9)。有線式の携帯電話ヘッドセットの使用は耳鳴りと関連していた(グループ12:OR 1.8、CI 1.0-3.3)が、無線式のヘッドセットは頭痛OR 2.2、CI 1.1-4.5)、気分の落ち込み/意気消沈(OR 2.0、CI 1.1-3.8)、夜間の目覚め(OR 2.4、CI 1.2-4.8)と関連していた。複数のコードレス電話周波数帯域耳鳴り、気分の落ち込み/意気消沈、及び学校での眠気と関連していた。夜間の目覚めは、自宅にWiFiがある人々ではより少なかった(グループ20:OR 0.7、CI 0.4-0.99)。

研究助成

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