この研究は、デンマークで実施された全国規模のコホート研究で、1987-1995年間の個人の携帯電話加入者355701人を2007年まで追跡調査して、黒色腫、基底細胞がん、扁平上皮がんの発生率比(IRR)を算出した。IRRの算出にはポアソン回帰モデルを用い、年齢、カレンダー期間、教育レベル、および収入を調整した。さらに潜在的な交絡因子に対処するため、頭頸部の腫瘍と胴体/脚部の腫瘍について個々のIRRを比較した(IRR比)。その結果、頭頸部の基底細胞がん、扁平上皮がん、または黒色腫の全般的なリスク上昇は観察されなかった;少なくとも13年間の追跡期間を終えて、基底細胞がんおよび扁平上皮がんのIRRはほぼ1のままであった;男性では、最低13年間追跡における頭頸部メラノーマのIRRは1.20(95 %信頼区間(CI):0.65-2.22)であったが、胴体/脚部メラノーマのIRRは1.16(95 %CI:0.91-1.47)で、IRR比は1.04となった(95 %CI:0.54-2.00);同様のリスクパターンが女性においても見られたが、それは少数に基づいていた;知見を総括すると、この大規模な人口ベースのコホート研究で、携帯電話ユーザにおける皮膚がんリスク上昇の証拠はほとんど観察されなかった、と報告している。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 非加入者 |
集団 2 | 加入者 |
集団 3 | 加入者:加入期間1-4年 |
集団 4 | 加入者:加入期間5-9年 |
集団 5 | 加入者:加入期間10-12年 |
集団 6 | 加入者:加入期間 ≥ 13年 |
タイプ | 値 |
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合計 | 355,701 |
私的な携帯電話加入者では、頭頸部の基底細胞がん、扁平上皮がん、または黒色腫についての全体的なリスク上昇は認められなかった。
少なくとも13年のフォローアップ期間(グループ6)後、基底細胞がん及び扁平上皮がんについての発生率比はほぼ1のままであった。男性では、少なくとも13年間のフォローアップ(グループ6)後の頭頸部の黒色腫についての発生率比は1.20(CI 0.65-2.22)、これに対応する胴体及び脚についての発生率比は1.16(CI 0.91-1.47)で、両方についての発生率比は1.04(CI 0.54-2.00)となった。女性についても同様のリスクのパターンが認められたが、これは少ない数に基づいていた。
著者らは、この大規模な人口ベースのコホート研究では、携帯電話ユーザーにおける皮膚がんのリスク上昇の証拠はほとんど認められなかった、と結論付けた。
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