研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[デンマークにおける電磁界に職業的にばく露された人のがんの罹病率] epidem.

Incidence of cancer in persons with occupational exposure to electromagnetic fields in Denmark

掲載誌: Br J Ind Med 1993; 50 (8): 758-764

<目的>職業人の電磁界曝露の影響についてバイアスのないデータを得るために、全国規模での17年間の調査を実施する。 <方法>20-64歳の280万人のデンマーク人を1970年から1987年まで人口動態調査記録により追跡し、職種により電磁界曝露を4群に分類し、各企業と職種の組み合わせの同種のものを除外し、以下の4群をコード化した。磁界いき値は0.3μTとした(実測等による)。(1)0.3μT以上の曝露を受けていない群、(2)0.3μT以上の曝露を間欠的に(数分間)受けている群、(3)0.3μT以上の曝露を連続的に受けている可能性のある群、(4)これらの3群に該当しない群。コーデングは二人が独自に行い、一致するまで検討した。各群は5年毎に年令をプールした。経済的にInactiveな人は特に疾病に弱いため、除外した。 <結果>①0.3μT以上の曝露群では、男性は172000人(その内連続曝露群は18000人)、女性は83000人(連続曝露群は4000人)。②間欠曝露を受けている群では白血病脳腫瘍黒色腫リスクの増加は認められなかった。③連続曝露を受けている群の男性では、白血病リスク増加が認められ(症例数39、期待数23.80、Obs/Exp 1.64 95%CI:1.20-2.24)、その内容は急性白血病とその他の白血病が半々であった。これらの男性の脳腫瘍黒色腫リスクの増加は認められなかった。乳ガンの増加が示唆されたが、女性ではリスク増加はなかった。④連続的に曝露されている男性の白血病リスク増加が見られるのは、主に組立作業の電気技師と鋳物製造の作業者であった。

ばく露

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