この研究は、2種類の大腸菌モデルシステムを用いて、超低周波磁界(ELF-MF)ばく露が、トランスポゾン(Tn)移動に与える影響を調べた。2種類の大腸菌モデルは、(1)βガラクトシダーゼを発現できない細胞(LacZ(-)。ミニトランスポゾンTn10要素を有しており、その転移によりβガラクトシダーゼを発現する能力がある細胞(LacZ(+)に変わる。したがって、この細胞では、LacZ(+)クローンを分析することで転移活性を評価できる。(2)稔性プラスミド(F(+)および染色体上にTn5要素を持つ細胞。したがって、この細胞では、細菌接合アッセイにより転移活性を評価できる。ELF-MFばく露は、さまざまな周波数(20、50、75 Hz)の正弦波(SiMF)またはパルス方形波(PMF)の磁界で、2つのばく露時間(15分および90分)で実施された。その結果:ミニTn10とTn5の両方の転移は、擬似ばく露対照群に比べ、SiMFばく露群では減少し、PMF群では増加した;周波数およびばく露時間の違いによる有意差は見られなかった;総括すると、ELF-MFばく露は転移活性に影響を与え、その影響は、少なくとも観察された範囲では、周波数とばく露時間ではなく、磁界の波形にクリティカルに依存することが示された、と報告している。
二つの異なる細菌 Escherichia coli の株を用いた。
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | two pairs of double-wrapped Helmholtz coills with a diameter of 23 cm and 40 (20 + 20) turns, placed in an incubator with a constant temperature of 37° C; 10 cm high cylindrical exposure area with a diameter of 12 cm and a field homogeneity of 5% in the center of the coil system; samples placed in Petri dishes with 9 cm diameter in the center of the coil system where the field uniformity was within 1% |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | effective value | 測定値 | - | - |
参照 | - | - | - | - | dB/dt = 0.66 T/s |
Modulation type | pulsed |
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Rise time | 1 ms |
Duty cycle | 50 % |
Pulse type | rectangular |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | effective value | 測定値 | - | - |
参照 | - | - | - | - | dB/dt = 0.14 T/s |
Tn10及びTn5の転位は共に、偽ばく露と比較して、正弦波磁界下で減少し、パルス矩形波磁界下では増加した。周波数及びばく露時間による有意差は見られなかった。
結論として、超低周波磁界ばく露は転位活性に影響し、その影響は、少なくとも観察された範囲では、磁界の波形に依存するが、周波数とばく露時間には依存しなかった。
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