この研究は、現時点の環境ばく露程度の磁束密度での50Hz磁界ばく露をカタツムリ(Helix aspersa)のニューロンに与え、ニューロンの活動電位(AP)、後過分極電位(AHP)、およびニューロン興奮性への影響を調べた。カタツムリの内臓神経節から単離された単一のニューロン線維(F1:n = 42)をそれぞれ、ヘルムホルツコイル内のばく露エリアのさまざまな磁束密度(2.83、6.02、14.91、45.87、109.34、207.2 µT)の場所に置き、18 - 20分間ばく露を行った。その結果、さまざまな磁束密度の磁界ばく露を受けたニューロンで、ニューロンの興奮性、AP発火頻度、およびAHP振幅に顕著な変化が見られた;このような影響は、ばく露の磁束密度、タイプ(単回の連続ばく露、反復的な累積ばく露)およびばく露時間(18または20分)に関連しているように見えた;超低周波(ELF)磁界ばく露は、F1神経細胞の興奮性に非単調的に影響を及ぼし、細胞膜の電気生理学的特性に影響を与えることにより、通常の特性である同期発火パターンを乱す可能性が示唆された、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 18 min or 20 min (see "additional information") |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a diameter of 20 cm, spaced 10 cm apart, consisting each of 325 turns of 0.5 mm copper wire; field homogeneity better than 0.1 µT in the exposure area inside the coils |
Additional information | exposure time: 18 min exposure - 2 min examination without exposure - additional 2 min exposure (= 20 min) |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 207.2 µT | effective value | 測定値 | - | 2.83 µT, 6.02 µT, 14.91 µT, 45.87 µT, 109.34 µT, 207.2 µT in the exposure area within the coils |
ニューロンを各種の磁束密度の磁界にばく露したところ、神経細胞の興奮性、発火率(の低下、すなわち神経細胞の活性の抑制)、及び後過分極電位の振幅(増加)における顕著な変化が見られた。これらの影響は、ばく露の強度、種類(単回及び連続的または反復的及び累積的)及びばく露の長さ(18または20分間)に関連しているようであった。超低周波磁界ばく露はF1神経細胞の興奮性に単調でない方法で影響し、正常な特徴及び同期発火パターンを攪乱した。
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