研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電気作業者のがん:英国がん登録(1981年-1987年)解析] epidem.

Cancer in electrical workers: an analysis of cancer registrations in England, 1981-87

掲載誌: Br J Cancer 1996; 73 (7): 935-939

<目的>英国において1981年から87年までの約37万人のがん登録データを利用して、そのうちの約8000人の電気電子工業の電気作業のがん罹病者と職業との関連を評価する。 <方法>7年間の男女のがん登録者約100万人の中で確実な職業情報が記録された36%が対象とされた。職業の分類は人口統計局の分類に従い、更に194のグループに纏めた。そのうち12を電気的職業と定義した。(表1)職業とがんの発生部位との相関については比例登録比(PRR)によって評価した。これを年齢(5年ごと)、社会階級(6段階)、情報源のがん登録(13ヶ所)、及び性別によって補正した。 <結果>男性では特に胸膜がんリスクが有意に高くPRR 201[CI 166-242]、その他にメラノーマ以外の皮膚がん110、脳腫瘍髄膜がん114、膀胱がん110、骨髄腫136、急性骨髄性白血病129が高く、男女共に高いのは悪性脳腫瘍115(男)202(女)であった。また有意に低いのは肝臓がんと肺がんであった。胸膜がんの88%の組織病理学所見は中胚葉種であり、これが電力従業員で増加すると報告したPeto等(Lancet 1995)の結果を確認することとなった。著者はこのリスク増加が電磁界曝露のためか或いは職場でのその他の要因のためなのか今後見極める必要があるとしている。

ばく露

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