この研究は、カタツムリ(Helix pomatia)からの単離神経節を用いて、リン酸塩代謝に対する超低周波磁界(ELF-MF:50 Hz、0.5 mT)ばく露の影響を調べた。ELF-MFばく露は7日間および16日間とした。ばく露終了後に、リン酸化合物のレベルおよび細胞内pHへの影響を31P-NMR分光法でモニタした。さらに、リン酸代謝回転、総ATPアーゼ、Na+ / K+ -ATPアーゼおよび酸性ホスファターゼに関わる酵素活性を測定した。その結果、7日間ばく露群では、細胞内pHがよりアルカリ性へと変化し、測定した酵素の活性が上昇した;16日間ばく露群では、7日間ばく露群に比べ、クレアチンリン酸(PCr)およびATPレベルの低下、および酵素活性の低下が生じた;総括すると、ELF-MFへの7日間ばく露を受けたカタツムリの神経ではリン酸代謝回転の増加が生じるが、そのリン酸代謝はより長期のばく露に対し適応したと解釈される、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 7 or 16 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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Distance between exposed object and exposure source | 20 cm |
ばく露装置の詳細 | solenoid with a regular laminated transformer core and pole dimensions of 9.5 cm x 9.5 cm used as electromagnet; snails were placed in a 26 cm x 43 cm x 15 cm polycarbonate box in front of the magnet |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.5 mT | average over time | 測定値 | - | at the middle of the box |
超低周波磁界へのカタツムリの7日間のばく露は、細胞内pHをよりアルカリ条件にシフトさせ、リン酸代謝回転に関与する調査対象の酵素の活性を高めた。16日間の長期ばく露は、7日間ばく露と比較して、クレアチンリン酸及びATPのレベル低下、ならびに酵素活性の低下を生じた。
著者らは、7日間の超低周波磁界ばく露は、カタツムリの神経系での全体的なリン酸代謝回転を増加させたが、長期ばく露後のリン酸代謝はばく露に適応する、と結論付けている。
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