この研究は、著者らの先行研究(超低周波磁界(ELF-MF)が野生型大腸菌細胞での熱ショックタンパク質(HSP)発現に影響を与えることを報告)を踏まえ、42 ℃の熱ストレス下において古典的な熱ショック応答(HSR)を示さない大腸菌細胞を実験に用い、この細胞に対してもELF-MFがDnaKおよびGroELタンパク質レベルの増加を引き起こすことができるか否かを調べた。その結果、30分または90分の正弦波ELF-MFばく露(50 Hz、1 mT)を与えた場合、この細胞においてDnaKおよびGroELタンパク質レベルの増強が示された;この知見は、ELF-MFばく露によって引き起こされるHSP誘導経路が、熱ショック処理によって誘導される経路とは異なる可能性があることを示唆している、と報告している。
42℃の熱ストレスにばく露しても通常の熱ショック応答を呈さないEscherichia coli の細胞において、超低周波電磁界ばく露が、DnaK及びGroELタンパク質(熱ショックタンパク質と相同の細菌タンパク質)のレベル増加のトリガとなる能力を調べること。
Cells were treated in four groups: i) 30°C ii) 42°C (heat shock) iii) 30°C + EMF exposure iv) 30°C + sham exposure
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 30 min. or 90 min. |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | two pairs of Helmholtz coils with a diameter of 23 cm and 2 x 20 turns, kept in a thermostatic room; cells placed in round Sterlin bijou tubes with a diameter of 16 mm in the center of the coil system; field uniformity in the exposure aerea = 1% |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | effective value | 測定値 | - | - |
このデータは、偽ばく露対照と比較して、超低周波磁界にばく露した両方の細胞におけるDnaK及びGroELタンパク質発現の増加を示している。ゆえに、熱ショック処理に対する通常の熱ショック応答を生じない形質転換した細胞は、30または90分間の正弦波超低周波磁界ばく露後にDnaK及びGroELタンパク質レベルの強化を示した。この結果は、超低周波磁界ばく露がトリガとなる熱ショックタンパク質誘導経路は、熱ショック処理で生じさせたものとは異なる可能性があることを示唆している。
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