研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz電磁界ばく露は培養ヒト神経膠腫におけるベータ‐アミロイドペプチドの分泌を刺激する] med./bio.

Fifty Hertz electromagnetic field exposure stimulates secretion of beta-amyloid peptide in cultured human neuroglioma

掲載誌: Neurosci Lett 2007; 418 (1): 9-12

この研究は、50-60 Hzの低周波電磁界LF-EMF)へのばく露がアミロイド形成プロセスに影響を与えるか否かを細胞実験で調べた。アミロイド前駆体タンパク質(APP)のヒトでの変異体を安定的に過剰発現しているヒト神経膠腫細胞H4からのアミロイドβ(Aβ)の分泌に対する、3.1 mTで50 HzのLF-EMFへのばく露の影響を調べた。その結果、LF-EMFへの一夜のばく露により、細胞生存に影響を与えることなく、アイソフォームAβ1-42を含むアミロイドβペプチドの分泌が有意に増加した;この知見は、LF-EMFばく露と脳でのAPP処理の間に関連があるかもしれないことを示唆している、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究は、ヒト神経芽腫細胞におけるアミロイドベータ分泌に対する3.1mT、50Hzの低周波電磁界へのばく露の影響をイン・ビトロで調べるために実施した。

詳細情報

アミロイドベータはペプチド(39-43アミノ酸)で、アルツハイマー病患者の脳内のアミロイド斑の主な成分であり、アミロイド前駆体タンパク質(APP)の開裂によって生じる。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 18 h

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 18 h
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 20 cm long solenoid 9.5 cm x 15.5 cm with 10 turns/cm
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 3.1 mT - - - +/- 0.2 mT

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

低周波電磁界への18か月間のばく露は、亜イソフォームのアミロイドベータ1-42を含む、アミロイドベータ分泌の有意な増加を生じた。細胞の生存能力は影響されなかった。
これらのデータは、低周波電磁界へのばく露はアミロイドベータ分泌をイン・ビトロで刺激することを示しており、低周波電磁界ばく露と脳内のアミロイド前駆体タンパク質(APP)処理との潜在的つながりをほのめかしている。

研究の種別:

研究助成

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