この研究は、蛍光ディファレンスゲル二次元電気泳動法(2D-DIGE)と質量分析法(MS)を組み合せた2D-DIGE/MS法を用いて、静的および振動する超低周波電磁界(ELF EMF)が野生型分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)と細胞ストレス高感受性を示すSty1p欠失変異体のそれぞれのプロテオームに及ぼす影響をブラインドテストで調べた。その結果、実験した種々の条件でのデータ全体を見渡せば、有意な差のある発現を示す多くのタンパク質アイソフォームが確認されたが、それらの発現パターンとELF EMFばく露レジメンとの間には相関はなかった;2D-DIGEによって提供されるような高感度において、静的または振動するEMFのいずれも、酵母プロテオームに有意な影響を与えないと結論される;同定されたタンパク質は培養および/または取扱いの条件のわずかな違いに必ず敏感に反応したと考えられる;他のプロテオミクス研究でこれらのタンパク質が同定されたとしても、そのような研究の結果を生物学的関連で解釈する場合は注意して扱う必要があると考えられる、と報告している。
データは、実験条件間で発現が有意に異なる幾つかのタンパク質アイソフォームを同定したが、発現のパターンと超低周波電磁界ばく露との相関はなかった。著者らは、静電磁界または振動電磁界のいずれにも、酵母のプロテオームに対する有意な影響はないと結論付けている(著者らは、同定されたタンパク質は培養及び/または取扱い状態の些細な変化に敏感であるに違いないと仮説立てている)。
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