研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[電界ばく露は雄性ラットの血清メラトニンを変化させるが、松果体メラトニン生成に影響しない] med./bio.

Electric field exposure alters serum melatonin but not pineal melatonin synthesis in male rats

掲載誌: Bioelectromagnetics 1994; 15 (5): 427-437

この研究は、オスのSprague-Dawleyラットを用い、「60Hz電界ばく露メラトニン合成を低下させる」という仮説を検証した。14:10時間の明:暗サイクルで維持されたラットに、65kV / m、60Hz電界ばく露(または擬似ばく露を)を、20時間/日(暗期の開始時刻にばく露開始)で、30日間(開始時、56日齢)与えた。松果体のN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)、ヒドロキシインドール-o-メチルトランスフェラーゼ(HIOMT)およびメラトニンならびに血清メラトニンアッセイした。結果として、30日間の電界ばく露は、松果体のNAT、HIOMT、またはメラトニンの夜間増加に変化を及ぼさなかった;血清メラトニンレベルも夜間に増加したが、ばく露群のレベルは対照群に比べ低かった;赤色光と電界の同時ばく露、あるいは異なる明暗サイクルでの電界ばく露においても、メラトニン合成の低下はなかった;これらのデータは、慢性電界ばく露がオスの若年成獣ラット松果体メラトニン合成を減少させるという仮説を支持しなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

30日間の電界ばく露(60Hz、65kV/m)が、雄のラットにおける松果腺ホルモンメラトニンの概日産生及び分泌に及ぼす影響を調査する。

詳細情報

メラトニン生合成に関与する2つの松果腺酵素松果体N-アセチルトランスフェラーゼ、ヒドロキシインドール-O-メチルトランスフェラーゼ)の活性、ならびに松果体及び血清中のメラトニンのレベルを、明期と暗期で調査した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous, 30 day; sham exposed 20 day

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • electric field
ばく露時間 continuous, 30 day; sham exposed 20 day
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • three parallel plates, a top electrified plate and the intermediate and bottom plates grounded
チャンバの詳細 two identical windowless rooms with 10 in x 4.75 in x 4.5 in Plexiglass cages
ばく露装置の詳細 the aminals; between the two top plates exposed and between the two bottom plates sham exposed
Additional information cages with wire mesh floors in contact with ground plate of the exposure apparatus. EF strength mapped with a 10 cm Kaune disk probe with a 2.48 cm diameter center
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 65 kV/m mean 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

電界ばく露松果体メラトニンのレベル、またはN-アセチルトランスフェラーゼ及びヒドロキシインドール-O-メチルトランスフェラーゼ酵素活性に影響しなかった。但し、ばく露動物では偽ばく露動物と比較して、夜間の血清メラトニンのレベルが低かった。
 これらの知見は、ばく露によってメラトニンの分解または組織への取り込み刺激されていることを示唆している。

研究の種別:

研究助成

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