この研究は、4日齢のニワトリ胚を用いて、紫外線(UV)の致死的効果が超低周波(ELF)磁界(MF)ばく露によって防御されるか否かを調べた。UVばく露(75分間、主にUV-C、0.4 mW/ cm2)の前にELF-MFばく露を行なった。その結果、ELF-MFの擬似ばく露を与えた胚にUVばく露を与えると、ばく露後3時間での生存率(心拍で判定した)は20 %であった;それとは対照的に、50 Hz(10、50、または100 μT)または60 Hz(10 µT)の垂直MFばく露を与えた胚では、UVばく露のわずか30分後に、生存率の有意な上昇が観察された;これらのばく露強度の間に防御レベルの差はなかった;違いは見られなかった;水平MF(50 Hz;10、50、または100 µT)の場合、垂直MFで観察されたようなUVによる死に対する防御はもたらされなかった;このことは、(水平ばく露と垂直ばく露で異なる)誘導電界のサイズがMFによる防御効果において重要なことを示唆する;この効果に関与する分子メカニズムを調べるために、hsp70の誘導型に対する抗体を用いた免疫ブロッティング実験を行ない、MFばく露(50 Hz、200 µT、1時間)がヒトK562細胞にhsp70発現を誘導することを示した、と報告している。
1) 報告されている60Hz磁界による96時間目のニワトリ胚のUV誘発死からの防護作用(先行研究publication 2843 及び publication 2882を参照)が再現可能かどうかを調べること。
2) 可能性のある周波数依存性、ならびに印加した界の様々な磁束密度及び異なる偏波の影響を調べること。
胚に254nmで0.4mW/cm² (UVばく露、75分間)を与えた。
UV放射に対する磁界による防護の結果として生じる可能性のあるHSP70の誘導を調べるため、ヒト細胞(対照として)及びばく露したニワトリ胚から得た物質について免疫ブロット法を実施した(j加えて、42℃で陽性対照(熱ショック)を実施した)。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 60 Hz | |
ばく露2: 50 Hz | |
ばく露3: 50 Hz | |
ばく露4:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 20 min or 1 hour
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During each experiment, 60 eggs were randomly divided into sham or exposure groups (30 eggs each).
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | All experiments were performed in a matched pair of cell culture incubators. Both incubators served as "sham" or "exposure" incubator in a random fashion. |
ばく露装置の詳細 | The field was created by a double Helmholtz coil arrangement with two horizontal and two vertical coils (diameter 40 and 42 cm, resp.). The coils were wound with 30 turns each of a twisted set of three Litz leads, where the twist was about three turns per meter of length of the thread. Thus each coil had three separate windings, each with 30 turns. Two of the windings were used for the AC current and were coupled through a switch which allowed to control the current in the two windings as either parallel or anti-parallel. The latter case then served as a "sham" exposure, since the AC fields cancelled each other. The ambient DC field within the incubators was found to be 30.5 and 41.8 µT, respectively, with a predominantly vertical inclination. |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露の発生源/構造 |
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UVばく露の3時間後の生存率は、偽ばく露群の胚で20%であった。対照的に、50Hz(10、50または100µT)あるいは60Hz(10µT)の垂直磁界にばく露した胚では、UVばく露の僅か30分後(及び最後の観察まで)、有意に高い生存率が認められた。これらのばく露強度でタンパク質レベルに差は認められなかった。
水平50Hz磁界(10、50または100µT)は、UV誘導死に対する一般的な防護を生じなかった。このことは、磁界による防護には誘導電界の大きさ(水平ばく露と垂直ばく露で異なる)が重要であることを示している。
更に、磁界((50Hz、200µT、1時間)の印加は、ヒトK562細胞にHSP70発現を生じたが、ニワトリ胚物質には生じなかった(熱ショックまたは磁界ばく露の処理条件に関わらず)。
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