この研究は、超低周波磁界(ELF MF)ばく露を受けた大根(Raphanus sativus L.)の芽苗において、光合成によるCO2摂取率および初期成長パラメータを調べた。大根の芽苗は、発芽直後に6日間または15日間、60 Hz、50 μT(rms)の正弦波磁界(MF)およびそれと平行な48 μTの静磁界への環境ばく露を受けた。対照群の芽苗は、環境磁界ばく露はあったが、ELF MFばく露は受けなかった。その結果、5日目およびそれ以降のELF MFばく露群でのCO2摂取率は、対照群のそれよりも低かった;6日目のELF MFばく露群での芽苗の乾燥重量、子葉面積、15日目のELF MFばく露群での芽苗の新鮮重量、乾燥重量、葉面積は、それぞれ対照群のものよりも有意に低かった。別の実験では、発芽直後の14日間、大根の芽苗をELF MFばく露なしで生育させた後、約2時間のELF MFばく露を与え、その短期ELF MFばく露中に光合成CO2摂取率を測定した。その後の再びELF MFばく露なしの環境磁界中での生育中に光合成CO2摂取率を測定した。その結果、ELF MFまたは環境磁界ばく露中での光合成CO2摂取率に差はなかった、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 6 days
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ばく露2:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 15 days
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ばく露3:
60 Hz
ばく露時間:
intermittent, 1 h on/1 h off
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 6 days |
Additional information | a combination of 60 Hz magnetic field and static magnetic field was applied |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | culture vessel of seedling was positioned at the center of coil system |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 15 days |
Additional information | A combination of 60 Hz magnetic field and static magnetic field was applied |
ばく露の発生源/構造 |
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | intermittent, 1 h on/1 h off |
Additional information | A combination of 60 Hz magnetic field and static magnetic field was applied |
ばく露の発生源/構造 |
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実験1及び2(6及び15日間連続ばく露):5日目以降に超低周波磁界にばく露した苗のCO2取り込み率は、対照植物よりも少なかった。6日目の乾燥重量及び子葉面積、ならびに、15日目の生体重、乾燥重量及び葉の面積は、それぞれ対照の苗よりも有意に少なかった。
実験3(短期ばく露):超低周波電磁界または環境磁界にばく露した植物のCO2取り込み率に差はなかった。
これらのデータは、60Hz正弦波磁界及び平行な静磁界への連続ばく露はダイコンの苗の初期生育に影響を及ぼすが、その影響はさほど深刻ではなく、短期的な磁界ばく露の際に光合成CO2取り込みの変化が観察できる。
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