研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[60Hz磁界はSENCARマウスの扁平上皮がんの発生率に影響しない] med./bio.

A 60 Hz magnetic field does not affect the incidence of squamous cell carcinomas in SENCAR mice

掲載誌: Bioelectromagnetics 2003; 24 (2): 75-81

この研究は、60 Hz 磁界MF)へのばく露が, SENCARマウスの腫瘍プロモーションに影響するか否かを調べた。SENCARマウスに発がん性物質を単回投与処理した後、化学腫瘍プロモーターを用いて23週間かけて皮膚腫瘍誘発した。この期間中、1つのグループには2 mT、60 HzのMFを同時にばく露、もう1つのグループには擬似ばく露を与えた。腫瘍プロモーターの投与は23週間後に終了したが、磁界ばく露または擬似ばく露は、さらに29週間継続した。その結果、全腫瘍(P = .297)または扁平上皮がん(SSC)(P = .501)の発生率には、マウスの2つのグループ間に差はなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

SENCARマウスモデルにおいて60Hz磁界ばく露によって生じるかも知れないプロモーションまたはコ・プロモーション作用を調査すること。

詳細情報

皮膚がん化学誘発のため、DMBA及びPMA(ホルボールミリステートアセテート)を用いた。
本研究では合計96匹のマウスを用いた(2群/各48匹)。一方を偽ばく露対照とした。
単用量のDMBA(10nmol)で腫瘍成長をイニシエートし、1週間後にマウスをPMA(3µg)で処理した。PMAの最初の投与と磁界ばく露は、DMBA処理の1週間後に開始した。PMA処理は23週間、磁界ばく露または偽ばく露は更に29週間(合計52週間)継続した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: 6 h/day, 5 day/week for 52 weeks
  • 磁束密度: 2 mT mean (unspecified)
  • 磁束密度: 235 nT mean (unspecified) (0.140 µT; with the coils inactive in the chambers)

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 6 h/day, 5 day/week for 52 weeks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 4 x 4 Merritt coil sets with 40 cm x 40 cm square coils of 84:36:36:84 turns
チャンバの詳細 two Quad/4x Exposure chambers
Additional information Each chamber held 4 exposure cages constructed from 6 mm plastic, each cage 39.4 cm x 26.0 x 14.9 cm further subdivided into 4 exposure suits, each suit 9.88 cm x 26 cm x 14.9 cm capable of holding 3 mice.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT mean 測定値 unspecified -
磁束密度 235 nT mean 測定値 unspecified 0.140 µT; with the coils inactive in the chambers

Reference articles

  • McLean JR et al. (1997): [SENCARマウスの化学的誘発皮膚がんコ・プロモーションへの60 Hz磁界ばく露の影響:3回の実験の検討]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

2群に差は認められなかった。乳頭腫にも扁平上皮がんにも、本研究の実験条件下での成長への影響はなかった。

研究の種別:

研究助成

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