[5G携帯電話ネットワークの電磁界ばく露が精巣小胞体ストレスに及ぼす影響およびコエンザイムQ10の保護的役割] med./bio.

Effects of 5 G mobile phone network electromagnetic field exposure on testicular endoplasmic reticulum stress and the protective role of coenzyme Q10

掲載誌: Arch Med Res 2025; 56 (4): 103157

この研究は、5G Fr1 周波数帯の電磁界精巣組織小胞体 (ER) ストレスに及ぼす影響と、これを抑制するコエンザイムQ10 (CoQ10) の有効性を調べた。雄のSprague-Dawleyラット8匹からなる 3群を設定した。対照群には経口投与で生理食塩水のみを投与した。電磁界ばく露群には経口投与で生理食塩水を投与し、ラットを2時間/日 (09:00-11:00) 5.9 GHzの電磁界ばく露した。電磁界ばく露+CoQ10投与群には、ばく露群と同じ方法で電磁界ばく露し、実験期間中 (30日間)、CoQ10を10 mg/kg/日、経口投与した。その結果、電磁界ばく露群の精細管では、浮腫領域、血管うっ血精子形成細胞、特に精子精子細胞の喪失を伴う好中球炎症チオバルビツール酸 (TBARS) の増加、総チオール (TT) レベルの低下などの組織病理学損傷が観察された。更に、精細管では、強い GRP-78免疫陽性を示す生殖上皮細胞とC/EBP相同タンパク質 (CHOP) 免疫陽性を示す精子形成細胞が増加した。一方、電磁界ばく露+CoQ10投与群では、組織病理学的所見と生化学的所見の両方が逆の方向に観察された。CoQ10は抗酸化特性と酸化ストレスおよびアポトーシス抑制する能力により、5G電磁界誘発性の精巣ER損傷に対する有望な候補となる可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露