研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[高周波および超低周波電磁界が中枢神経系の機能に及ぼす生物学的影響の解明] review

Unveiling the biological effects of radio-frequency and extremely-low frequency electromagnetic fields on the central nervous system performance

掲載誌: BioImpacts 2024; 14 (4): 30064

この論文の著者らは、高周波RF)および超低周波(ELF)電磁界ばく露中枢神経系(CNS)の機能に及ぼす明示的および暗黙的な影響に関する研究を包括的にレビューした。その結果、RFばく露は、血液脳関門BBB)の透過性、神経伝達物質レベル、カルシウムチャネルの調節、ミエリンタンパク質の構造、抗酸化防御システム、および代謝過程に変化を引き起こすことにより、CNSの機能に悪影響を与える可能性があることが示唆された。但し、RFばく露がさまざまな状態や障害に対して認知的利益をもたらす可能性があると示唆する報告もあることに注目すべきである。ELFばく露は、記憶保持の向上、学習能力の向上、および神経変性疾患の緩和の可能性など、CNS機能の向上と関連している。しかし、ELFばく露は、不安状態の誘発酸化ストレス、およびホルモン調節の変化とも関連していることを認識することが重要である。さらに、ELF-EMR曝露は海馬機能、ノッチシグナル伝達経路、抗酸化防御システム、およびシナプス活動に変化をもたらす。RFおよびELF電磁界ばく露は、利益と不利益の両方の影響を示す。ただし、有害または有益な効果が(個別にまたは同時に)現れる正確な条件や状況は不確実なままである、と著者らは結論付けている。

ばく露