この研究は、抗糖尿病薬のメトホルミンが抗酸化物質として機能し、生殖器系をマイクロ波放射から保護できるという仮説を検証するため、ラットを2.856 GHzのマイクロ波放射に6 週間ばく露した。その結果、ばく露が血清ホルモン障害、精子の運動性の低下、精子エネルギーの枯渇を引き起こし、精巣構造の異常とミトコンドリア障害を誘発すること、また、メトホルミンはマイクロ波放射によって生じる構造的および機能的障害から生殖器系を効果的に保護することが示された。 特に、メトホルミンは、グルタチオン／酸化グルタチオン（GSH/GSSG）、脂質過酸化、およびヘムオキシゲナーゼ-1（HO-1）のタンパク質発現によって決定される、マイクロ波放射線誘発性の酸化損傷を改善し、精巣のアポトーシスを軽減することができた。これらの知見は、2.856 GHzのマイクロ波放射へのばく露が雄性の生殖器系の明らかな構造的および機能的障害を引き起こすこと、メトホルミンが酸化ストレスとアポトーシスを阻害することによってマイクロ波放射線誘発性の有害な影響を抑制する有望な抗酸化剤として機能する可能性があることを示唆している、と著者らは結論付けている。
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