この研究は、Wistarラットの神経発達と行動、生化学的変化に対する、出生前および幼少期のWiFi信号ばく露の長期的な影響を調べた。 妊娠初日（E0）にラットを対照群およびばく露群（共にn = 12）に割り付けた。ばく露群はE0から生後（PND）42日まで24時間／日、WiFiをオンにし、対照群はオフにした。PND7-42に、体重、疼痛閾値、水泳能力、空間学習、記憶などの仔の発達および行動を評価した。また、海馬におけるアポトーシス関連タンパク質のレベルを組織学的に分析した。その結果、ばく露群の雄の仔ラットでは、体重増加、学習および記憶機能の向上が認められた。神経行動発達の変化は認められなかった。海馬における脳由来神経栄養因子（BDNF）およびp-CREBタンパク質のレベルが上昇した。ニューロンの喪失または変性は検出されず、海馬CA1のニューロン数には群間に明確な差は認められなかった。アポトーシス関連タンパク質（カスパーゼ-3およびBax）のレベルに変化はなかった。海馬におけるグルタチオンペルオキシダーゼおよびスーパーオキシドジスムターゼ活性に差は認められなかった、と著者らは報告している。
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