[糖尿病の脳および健康な脳におけるグレリン、ネスファチン-1、およびイリシンのレベルに対する3.5 GHz(5G)高周波放射の影響] med./bio.

Effects of 3.5 GHz radiofrequency radiation on ghrelin, nesfatin-1, and irisin level in diabetic and healthy brains

掲載誌: J Chem Neuroanat 2022; 126: 102168

この研究は、第5世代移動通信(5G)の高周波RF放射(3.5 GHz、GSM変調)[訳注:原文ママ。実際には5GではGSM変調は用いられていない]による、エネルギー恒常性および酸化還元バランスの変化を調べた。糖尿病ラットおよび健康ラットの脳に対するRF放射の影響を調査し、組織病理学的分析を実施した。体重200-250 gのWistarアルビノラット28匹を7匹ずつ4群(擬似ばく露群、RFばく露群、糖尿病群、RFばく露糖尿病群)に割り付け、各群のラットをアクリル樹脂製カルーセルに2時間/日、30日間保持した。実験後、麻酔下で脳組織を採取し、総抗酸化物(TAS)、総酸化物(TOS)過酸化水素H2O2)、グレリン、ネスファチン-1、およびイリシンのレベルを判定した。また、脳組織組織病理学的分析を実施した。脳の灰白質における比吸収率SAR)は、1 gおよび10 g平均でそれぞれ323 mW/kgおよび195 mW/kgと計算された。RFばく露後の糖尿病ラットおよび健康ラットの脳組織では、TASレベルの低下ならびにTOSおよびH2O2レベルの上昇が認められた。RFはグレリンおよびイリシンのレベル上昇、ならびにネスファチン-1のレベル低下を生じた。RFにばく露した海馬での変性したニューロンの数の増加も認められた。これらの結果は、5GのRF放射健康ラット糖尿病ラットの両方でエネルギー代謝および食欲の変化を生じることを示している、と著者らは結論付けている。

ばく露