この研究は、第5世代移動通信(5G)の高周波(RF)放射(3.5 GHz、GSM変調)[訳注:原文ママ。実際には5GではGSM変調は用いられていない]による、エネルギー恒常性および酸化還元バランスの変化を調べた。糖尿病のラットおよび健康なラットの脳に対するRF放射の影響を調査し、組織病理学的分析を実施した。体重200-250 gのWistarアルビノラット28匹を7匹ずつ4群(擬似ばく露群、RFばく露群、糖尿病群、RFばく露+糖尿病群)に割り付け、各群のラットをアクリル樹脂製カルーセルに2時間/日、30日間保持した。実験後、麻酔下で脳組織を採取し、総抗酸化物(TAS)、総酸化物(TOS)過酸化水素(H2O2)、グレリン、ネスファチン-1、およびイリシンのレベルを判定した。また、脳組織の組織病理学的分析を実施した。脳の灰白質における比吸収率(SAR)は、1 gおよび10 g平均でそれぞれ323 mW/kgおよび195 mW/kgと計算された。RFばく露後の糖尿病ラットおよび健康なラットの脳組織では、TASレベルの低下ならびにTOSおよびH2O2レベルの上昇が認められた。RFはグレリンおよびイリシンのレベル上昇、ならびにネスファチン-1のレベル低下を生じた。RFにばく露した海馬での変性したニューロンの数の増加も認められた。これらの結果は、5GのRF放射は健康なラットと糖尿病のラットの両方でエネルギー代謝および食欲の変化を生じることを示している、と著者らは結論付けている。
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