超低周波(ELF)電磁界の相反する影響についての証拠が研究で報告されている。有害な影響には酸化ストレス誘導、有益な影響には抗酸化防御の活性化が含まれる。電磁界への人々のばく露はしばしば反復的または長期的であることから、そのようなばく露の累積作用を考慮することが重要である。仮に、電磁界への反復ばく露によって惹起された変化が永続的であれば、他のストレス因子に対する反応性も変化し得る。この研究は、(1) 1および7 mTのELF磁界に反復ばく露(1時間/日、7日間、1回、2回または3回)後の成体ラットの前頭前皮質での酸化ストレスおよび抗酸化防御マーカー(8-イソプロスタン、タンパク質カルボニル基、および総抗酸化能)の変化を評価し、(2) ELF磁界への反復ばく露が他のストレス因子による酸化/抗酸化状態を変化させ得るかどうかを調べた。一部のラットをELFばく露後に別のストレス因子(オープンフィールド)にばく露した。その結果、反復ばく露は磁界強度およびばく露回数に応じて酸化/抗酸化状態を変化させた。1 mTばく露は脳での酸化状態に弱い変化を生じたが、7 mTばく露は酸化/抗酸化のバランス変化がより高かった。1 mTばく露後の酸化状態の変化は十分低減できたが、7 mTばく露後は次のストレスに対する反応における酸化プロセスを強めた。生物は「弱い」磁界には適応し得るが、「強い」磁界はこの適応能力を超過し、その後のストレスに対して敏感にすることで、疾病に対する脆弱性を変化させる可能性がある、と著者らは結論付けている。また、1 mTの磁界には脳に対して防護的なインパクトがある可能性が示されたことから、磁界には治療法としての特性があるかもしれないという新たな洞察が得られた、と述べている。
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