この論文の著者は、細胞内カルシウムイオン(Ca2+)とアルツハイマー病(AD)との関連について、以下のように論じている。携帯電話やWi-Fi等のワイヤレス通信に用いられる電磁界はコヒーレントで、非常に強い電磁力を生じ、これは電位依存性カルシウムチャネルの電位センサーを動作させ、細胞内Ca2+を上昇させる。ADについてのカルシウム仮説は、過剰なCa2+によってADに特異的および非特異的な重要な原因要素の両方が生じることを示している。Ca2+はADにおいて過剰なカルシウムシグナル伝達およびペルオキシナイトライト/酸化ストレス/炎症経路を介して動作するが、これらはいずれも電磁界によって上昇する。ADにおける明らかな悪循環には、アミロイドベータタンパク質(Aβ)およびCa2+が関与している。3種類の疫学はいずれも、電磁界が早期発症型を含むADの原因であることを示唆している。広範な動物モデル研究が、低強度電磁界がADを含む神経変性を生じること、AD動物には高いレベルのAβ、アミロイド前駆体タンパク質およびBACE1[βセクレターゼ-1:アミロイド前駆体タンパク質を切断する酵素の一つ]が見られることを示している。パルス化電磁界に毎日ばく露したラットは、ADを含む神経変性を極めて早期に発症することが報告されている。これらの知見は、表面的にはデジタル認知症のヒトと類似している。中程度のCa2+増加を生じる電磁界は治療効果をも生じ得る。治療経路と過酸化亜硝酸経路は互いを抑制する。この著者は、電磁界がADの原因であるという強力な証拠を示すとされる、18の異なる知見の要旨を提示している。
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