[モルモットの不安様行動および聴覚皮質に対する3500 MHz(5G)高周波電磁放射への急性ばく露の影響] med./bio.

Effects of Acute Exposure to 3500 MHz (5G) Radiofrequency Electromagnetic Radiation on Anxiety-Like Behavior and the Auditory Cortex in Guinea Pigs

掲載誌: Bioelectromagnetics 2022; 43 (2): 106-118

この研究は、モルモットの不安行動および聴覚皮質(ACx)に対する3500 MHzの高周波RF電磁放射の影響を調べた。雄のモルモット40匹を無作為に4群に割り付け、連続波3500 MHzに比吸収率SAR)0、2、4、10W/kgで72時間ばく露した後、マロンジアルデヒドMDA)レベル、抗酸化酵素活性不安行動聴覚閾値細胞の超微細構造アポトーシスを検出した。その結果、ばく露後の聴覚閾値および行動の基本指数に有意な変化は認められなかった(P > 0.05)が、ばく露群では対照群と比較して、MDAレベルおよびACxは上昇し(P < 0.05)、カタラーゼスーパーオキシドジスムターゼおよびグルタチオンペルオキシダーゼの活性は低下した(P < 0.05)。ばく露群ではACxの超微細構造の変化(ミトコンドリアの膨張およびミエリン鞘の層化)、チトクローム-cの再局在化、カスパーゼ-9、断片化カスパーゼ-3が認められた。これらの結果は、酸化ストレスがRF電磁放射生物学的影響の根底にある重要なメカニズムであり、これがミトコンドリア依存性のメカニズムを通じてACxの超微細構造損傷および細胞のアポトーシスを生じ得ることを示唆している、と著者らは結論付けている。また、酸化ストレスアポトーシス誘導および超微細構造損傷はSAR依存的に増加したが、聴覚閾値または不安誘導はRFによって増加しなかった、と報告している。

ばく露