[3.5 GHzの高周波電磁放射はキイロショウジョウバエの成長を促進する] med./bio.

この研究は、キイロショウジョウバエの成長およびマイクロバイオーム［微生物叢］に対する、シミュレートした3.5 GHz高周波（RF）電磁界（0.1 W/m^2、1 W/m^2および10 W/m^2）の影響を調べた。その結果、ばく露群では最初の3日間の蛹化率、および最初の2日間の羽化率が上昇し、平均成長時間が短縮した。3齢幼虫では、熱ショックタンパク質遺伝子hsp22、hsp26、hsp70、ならびに体液性免疫系遺伝子AttC、TotCおよびTotAの発現レベルがいずれも有意に上昇した。酸化ストレス系では、DuoX遺伝子の発現が低下し、sod2およびcat遺伝子の発現レベルが上昇し、スーパーオキシドジスムターゼ（SOD）およびカタラーゼ（CAT）の酵素活性も有意に上昇した。16S rDNAの結果から、微生物群の多様性と種の豊富さの有意な減少、また機能予測分析の結果から、アセトバクター属およびラクトバチルス属の有意な増加が示された。3.5 GHzのRF電磁界は熱的ストレス、酸化ストレスおよび体液性免疫を強め、微生物群の変化を生じ、インスリン／TORおよびエクジステロイドシグナル伝達経路を調節し、ハエの成長を促進する、と著者らは結論付けている。