肝臓X受容体(LXR)はリガンド依存性の転写因子で、脂質の代謝や炎症などにおいて重要な役割を担っている。この研究は、電磁放射にばく露したラットにおける精巣の変化に対するLXRの活性化の影響を調べた。雄の成体のWistarラット30匹を、対照群、携帯電話放射ばく露群、ばく露+LXR作動薬T0901317投与群に割り付けた。血清テストステロン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体ホルモン(LH)、精巣組織のマロンジアルデヒド(MDA)およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、ならびに炎症およびアポトーシスのマーカーの遺伝子発現を評価した。また、精液分析および精巣の組織学的検査を実施した。その結果、ばく露群における[作動薬の投与による]LXRの活性化は、精巣および性腺栄養ホルモン、精子の質のパラメータ、精巣組織のSOD、抗アポトーシス遺伝子発現の減少、ならびに、精巣組織のMDA、アポトーシスおよび炎症の遺伝子発現、精巣の組織学的変化の増加を生じた。携帯電話放射へのばく露は精子形成に有害な影響を生じ、LXRの活性化は抗酸化、抗炎症特性を通じてこれらの影響を改善し得る、と著者らは結論付けている。
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