[電磁放射にばく露したラットの肝臓X受容体の活性化は精巣機能の変化を改善する] med./bio.

Activation of liver X receptors ameliorates alterations in testicular function in rats exposed to electromagnetic radiation

掲載誌: Alexandria Journal of Medicine 2021; 57 (1): 82-91

肝臓X受容体(LXR)はリガンド依存性の転写因子で、脂質代謝炎症などにおいて重要な役割を担っている。この研究は、電磁放射ばく露したラットにおける精巣の変化に対するLXRの活性化の影響を調べた。雄の成体のWistarラット30匹を、対照群携帯電話放射ばく露群、ばく露+LXR作動薬T0901317投与群に割り付けた。血清テストステロン卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体ホルモンLH)、精巣組織マロンジアルデヒドMDA)およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、ならびに炎症およびアポトーシスマーカーの遺伝子発現を評価した。また、精液分析および精巣組織学的検査を実施した。その結果、ばく露群における[作動薬の投与による]LXRの活性化は、精巣および性腺栄養ホルモン精子の質のパラメータ、精巣組織のSOD、抗アポトーシス遺伝子発現の減少、ならびに、精巣組織のMDA、アポトーシスおよび炎症遺伝子発現精巣組織学的変化の増加を生じた。携帯電話放射へのばく露精子形成に有害な影響を生じ、LXRの活性化は抗酸化、抗炎症特性を通じてこれらの影響を改善し得る、と著者らは結論付けている。

ばく露