この研究は、概日リズムに関連する遺伝子発現またはDNA損傷シグナル伝達に対する、50 Hzの超低周波(ELF)磁界の影響、ならびに、ブレオマイシン[抗腫瘍性抗生物質の一種で、DNA合成阻害およびDNA鎖切断作用を有する]による処理後、その磁界がDNA損傷修復率を変化させるかどうかを調べた。ネズミのFDC-P1造血細胞を異なる期間(15分間、2時間、12時間、24時間)、200 μTの50 Hz磁界にばく露または擬似ばく露した後、細胞を採取し、DNA損傷レベルをコメットアッセイで、概日リズム遺伝子の発現をリアルタイムPCRでそれぞれ判定した。DNA損傷シグナル伝達およびDNA修復率を評価するため、細胞をその後、ブレオマイシン20 μg/mLで1時間処理し、その直後にアッセイ化した、あるいは1または2時間DNA修復させた。その結果、概日リズム関連遺伝子が12時間の磁界ばく露後に上方制御され、24時間の磁界ばく露後には下方制御されたが、影響を受けた遺伝子はいずれも、概日リズムの制御に中心的なものではなかった。加えて、ブレオマイシンで誘発したDNA損傷に対する修復率は、24時間の磁界ばく露後にのみ低下した。これらの知見は、磁界の影響はばく露期間に依存することを示唆しており、影響は主に長時間のばく露後に認められた、と著者らは結論付けている。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1: 50 Hz |
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