この研究は、メラトニン仮説「夜間のメラトニン(MLT)産生レベルの低下が乳がんリスク上昇を説明するかも知れない(なお、以前に、この乳がんリスク上昇の原因として低レベルELF磁界(MF)の可能性が考えられたこともある)」について再検討している。長期、低レベルELF MFばく露下でラットのMLT分泌が部分的に抑制されるとの報告があったものの、乳がんに対するELF MFばく露のリスクは次第に打ち消され、2004年以降、このような実験は行われなくなっている。そこで、居住環境ELF MFばく露との関連が見られる小児白血病リスク上昇にこのMLT仮説を適用することを提案している。但し、オリジナルの仮説ではMLTレベル低下が検討されたのに対し、今回は日周リズムの乱れを作用メカニズム要因として考えるという。その動機は、日周リズムに対する光刺激以外の乱れの影響についての証拠とともに、哺乳類でのELF MFによる磁覚器の混乱、ヒトの磁覚などを示唆するデータが最近報告されているためという。そのため、長期、低レベルELF MFばく露下でのヒト(小児を含め)の日周リズムに対する研究を提案している。
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