先行研究では、単一周波数のマイクロ波放射がラットの認知機能低下を生じ得ることが示されているが、異なる周波数のマイクロ波の複合的な影響に焦点を当てた研究はほとんどない。この研究は、ラットの認知機能および海馬組織の構造に対する1.5 GHzおよび4.3 GHzのマイクロ波放射の単独および複合的な影響を調べた。雄のWistarラット合計140匹を無作為に、S群(擬似ばく露群)、L10群(10 mW/cm^2、1.5 GHzばく露群)、C10群(10 mW/cm^2、4.3 GHzばく露群)、LC10群(10 mW/cm^2、1.5および4.3 GHzばく露群)の4群に割り付けた。マイクロ波ばく露の1-28日後、モリス水迷路タスクで脱出に要する平均時間、脳電図、海馬組織の構造及び超微細構造の変化、海馬のニッスル小体の内容、ならびに乳酸デヒドロゲナーゼおよびコハク酸デヒドロゲナーゼの活性を分析した。その結果、疑似ばく露群と比較して、全てのばく露群で程度の異なる学習及び記憶能力の低下、ならびに海馬の構造の損傷が認められた。1.5 GHzと4.3 GHzのマイクロ波放射はラットの認知機能低下および海馬組織の損傷を生じ得ること、また、二つの周波数を組み合わせた場合により深刻な傷害を生じることが示された、と著者らは報告している。
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