[Geomagnetic field absence reduces adult body weight of a migratory insect by disrupting feeding behavior and appetite regulation] med./bio.

Geomagnetic field absence reduces adult body weight of a migratory insect by disrupting feeding behavior and appetite regulation

掲載誌: Insect Sci 2021; 28 (1): 251-260

磁気動物の方向付けや渡りの合図として重要な役割を担っていることは良く知られており、最近の証拠からは、地磁気の欠如は体重減少等のストレス様応答を生じ得ることが示されている。この研究は、第5幼虫期にニアゼロ磁界ばく露したウンカ(Nilaparvata lugens)では、地磁気ばく露した対照群と比較して、摂餌時間が32.02%減少し、成虫期の雌(-14.67%)及び雄(-13.17%)における体重減少が認められた、と報告している。ニアゼロ磁界ばく露群の第5幼虫期には、有意に高いグルコースレベル(脱皮後24時間、48時間でそれぞれ+16.98%、+20.05%)が認められ、これは食餌嫌悪と関連していた。また、食欲関連の神経ペプチド遺伝子発現パターンの変化(神経ペプチドFの全体的な下方制御;短い神経ペプチドFの全体的な下方制御脂肪運動ホルモンの全体的な上方制御脂肪運動ホルモン受容体の全体的な下方制御)も認められた。更に、潜在的な磁気センサーであるクリプトクロム(Cry)の発現もニアゼロ磁界ばく露によって有意に変化し、このことはCryが介在する磁覚メカニズムの上流のシグナル伝達が存在することを示している。これらの知見は、地磁気の強い変化は虫の摂餌行動への影響を通じて体重を減少させ得るという仮説を支持するものであり、地磁気は虫のエネルギー恒常性維持にとって必須である、と結論付けている。

ばく露