てんかんは一般的な脳疾患で、その発作は海馬のニューロン喪失を生じ得る。てんかんの病理学には酸化ストレスが重要な役割を担っている。一部の研究では、Wi-Fi電波ばく露が酸化ストレスを増大させ、抗酸化系を抑制することが示されている。この研究は、ペンチレンテトラゾール(PTZ)で誘発したラットでのてんかん発作において、メラトニンの抗けいれん作用及び酸化損傷に対するWi-Fiの影響を調べた。雄のWistarアルビノラット30匹(体重230-250 g)を5群(対照群、生理食塩水群(1 mg/kg/日のオリーブオイル、30日間)、Wi-Fiばく露群(12時間/日、30日間)、メラトニン投与群(10 mg/kg/日、30日間)、メラトニン投与+Wi-Fiばく露群(10 mg/kg/日+12時間/日、30日間)に割付けた。30日目の最後の投与の30分後、PTZ(45 mg/kg)を投与しててんかん発作を誘発し、発作のステージ(レーシング尺度による)及び最初の筋クローヌス性発作回数(FMJ)を30分間観察した。PTZ投与の24時間後、脳組織を摘出し、生化学及び組織病理学的評価を実施した。脳組織での酸化ストレスマーカー(総抗酸化状態(TAS)、総酸化状態(TOS)、酸化ストレス指標(OSI))の測定に加えて、海馬のアンモン角(CA)1、CA3及び歯状回(DG)部位を、ニューロン損傷の観点で組織病理学的に評価した。その結果、Wi-Fiはてんかんに関連した行動学的変化に影響しなかった(p > 0.05)。但し、Wi-Fiはメラトニンの抗けいれん及び抗酸化作用を低下させた(p < 0.05)。更に、Wi-Fiは海馬でのニューロン損傷を増大させた(p < 0.05)、と著者らは報告している。
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