超低周波(ELF)磁界ばく露は神経細胞の分化を増加または開始することが、複数のイン・ビトロ及びイン・ビボモデルで知られている。この作用は、非侵襲的に神経新生を促進することで、自閉症、パーキンソン病、認知症等の神経変性疾患の治療に応用できる可能性がある。但し、その根底にある作用機序についての情報の欠如が、この現象の更なる研究の障害となっている。この研究は、ELF磁界ばく露下でのヒトの神経分化過程における、グルタミン酸作動性Ca2+チャネル、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の関与を調べた。その結果、ヒト神経前駆細胞(hNPC)はイン・ビトロでELF磁界ばく露下でより効率的に分化することが、大量の神経マーカーにより示された。更に、細胞内Ca2+レベルの上昇も、c-fosの発現及び成熟した神経突起により示された。これらの作用は、NMDA受容体をメマンチンで阻害することで中和することができた。これらの結果から、神経分化に対するELF磁界の作用は、分化につながるCa2+依存性カスケードのトリガとなるNMDA受容体に対する作用から生じる、と著者らは仮説立てている。
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