[健康なボランティアでの経皮的高周波及び低周波脊髄刺激後のヒラメ筋反射の変調] med. app.

Soleus H-reflex modulation following transcutaneous high- and low-frequency spinal stimulation in healthy volunteers

掲載誌: J Electromyogr Kinesiol 2019; 46: 1-7

超低周波(ELF)磁界ばく露神経細胞分化を増加または開始することが、複数のイン・ビトロ及びイン・ビボモデルで知られている。この作用は、非侵襲的神経新生促進することで、自閉症、パーキンソン病認知症等の神経変性疾患治療に応用できる可能性がある。但し、その根底にある作用機序についての情報の欠如が、この現象の更なる研究の障害となっている。この研究は、ELF磁界ばく露下でのヒトの神経分化過程における、グルタミン酸作動性Ca2+チャネル、N-メチル-D-アスパラギン酸NMDA受容体の関与を調べた。その結果、ヒト神経前駆細胞(hNPC)はイン・ビトロでELF磁界ばく露下でより効率的に分化することが、大量の神経マーカーにより示された。更に、細胞内Ca2+レベルの上昇も、c-fosの発現及び成熟した神経突起により示された。これらの作用は、NMDA受容体をメマンチンで阻害することで中和することができた。これらの結果から、神経分化に対するELF磁界の作用は、分化につながるCa2+依存性カスケードのトリガとなるNMDA受容体に対する作用から生じる、と著者らは仮説立てている。

ばく露