この研究は、超低周波(ELF)電磁界によってSH-SY5Yヒト神経膠芽腫細胞に生じるかも知れない酸化ストレスの主な発生源を同定するため、SH-SY5Y細胞の形態学的モデリングを考慮した計算マルチスケールアプローチを用いて、細胞レベルでの誘導電界及び電流密度を推定した。また、50 Hz、1 mTの磁界ばく露の24時間前にジフェニレンヨードニウム(DPI:細胞膜酵素NADPHオキシダーゼNoxの阻害剤)で処理した神経膠芽腫細胞で実験的検証を実施した。その結果、巨視的及び微視的ドシメトリ評価では、細胞膜/細胞外培地インターフェイスに電流密度上昇が生じることが示唆され、細胞膜がELF磁界と神経膠芽腫細胞との相互作用の主な部位として同定された。イン・ビトロでの結果は、ELFばく露による活性酸素種の産生をDPI処理が元に戻すことから、ELFによる酸化還元の不均衡において細胞膜Noxが重要な役割を担っているという実験的証明が得られた、と著者らは報告している。
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