[アルツハイマー病の二つの動物モデルにおける空間記憶及び脳アミロイド-βに対する弱い静磁界及び超低周波変動磁界の組合せの影響] med./bio.

Effect of weak combined static and extremely low-frequency alternating magnetic fields on spatial memory and brain amyloid-β in two animal models of Alzheimer's disease

掲載誌: Electromagn Biol Med 2018; 37 (3): 127-137

この研究は、アルツハイマー病(AD)の散発的及び遺伝的な動物モデルにそれぞれ用いられる、嗅球を摘出した(OBE)マウス及び遺伝子組換え(Tg:APPswe、PSEN1)マウスにおいて、42 µTの静磁界と0.08 µTの交流磁界(4.38及び4.88 Hzの合計)との重ね合わせによる弱い複合磁界の亜慢性影響を調べた。モリス水迷路で水中プラットフォームを撤去した訓練を完了した翌日に、空間記憶を調べた。遺伝子組換えマウスにおいて、特異的DOT分析を用いて皮質及び海馬の抽出物中のアミロイド-β(Aβ)レベルを判定し、チオフラビンS染色後にアミロイド斑の数及び大きさを検出した。その結果、磁界ばく露(4時間/日、10日間)は、OBEマウスの脳内のAβレベルの低下、及びTgマウスの皮質及び海馬におけるAβ斑の数の減少を生じた。但し、記憶の改善はTgマウスのみに見られ、OBEマウスには見られなかった。このことから著者らは、AD及び他の組織でのアミロイドタンパク質の沈着を伴うその他の疾病の症例における神経細胞変性の初期段階で、Aβ蓄積の防止のために磁界を用いることができる、と示唆している。

ばく露