著者:
Maliszewska J, Marciniak P, Kletkiewicz H, Wyszkowska J, Nowakowska A, Rogalska J
掲載誌: J Comp Physiol A 2018; 204 (6): 605-611
電磁界ばく露は生物に生理学的変化を生じ、これは生化学プロセスから行動までの異なるレベルで観察される。この研究では、有害な熱へのゴキブリの反応に対する電磁界ばく露(50 Hz、7 mT)の影響を、高温環境からの脱出までの潜時を測定することで評価した。また、酸化バランスの指標として脂質過酸化及びグルタチオン含量のレベルも測定した。その結果、24時間、72時間及び7日間のばく露は、有害な熱からの脱出までの潜時を有意に増加させることが示された。マロンジアルデヒドのレベルは24時間のばく露後に有意に上昇し、最長7日間のばく露まで高いままであった。7日間ばく露されたゴキブリでは、グルタチオンのレベルが有意に低下した。これらの結果は、電磁界ばく露はアメリカゴキブリの酸化状態及び熱知覚に影響する相当なストレス因子であることを示すものである、と著者らは結論付けている。