この研究は、出生前および出生後早期のマウスにおける中間周波(IF)磁界ばく露の認知および行動学的影響を調べた。雌マウスを交尾から仔の離乳までの期間、12および120 μTの7.5 kHz磁界に連続的にばく露した。疑似ばく露マウスを対照群に用いた。発達中の神経系に対してあるかも知れない影響を検出するため、2月齢の雄の仔マウスについて行動奇形学検査を実施した。その結果、ばく露群の間で体重増加に差はなかった。ばく露は新しいケージの探索の際の自発的運動活動、あるいは新規性抑制食餌またはビー玉埋没試験での不安を変化させなかった。12 µT群にはロータロッド課題遂行能力の向上が見られたが、120 µTばく露群はモリス水迷路試験での泳ぎが偽ばく露群よりも緩慢であった。但し、学習および記憶の指標(課題取得中の経路長および脱出潜時、ならびにプローブ試験中の検索バイアス)はばく露群間で差はなかった。更に、受動的回避課題では、ばく露群に48時間のインターバルでの長期記憶の障害は認められなかった。死後の組織病理学的分析では、星状膠細胞の反応性または海馬の神経発生に対するIF磁界ばく露の影響の証拠はなかった。これらの結果は、本研究で用いたIF磁界には空間学習および記憶、または組織反応の組織学的マーカーに対する有害な影響はないことを示唆している、と著者らは結論付けている。また、観察された2つの統計的に有意な知見(12 µTばく露群におけるロータロッド課題遂行能力の向上、120 µTばく露群における水泳速度の低下)は、内部での一貫性や量‐反応パターンがないことから、偶然の結果である可能性が高い、としている。
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