[連続マイクロ波ばく露後の認知機能の長期的な障害およびNMDARサブユニットの改変] med./bio.

Long term impairment of cognitive functions and alterations of NMDAR subunits after continuous microwave exposure

掲載誌: Physiol Behav 2017; 181: 1-9

この研究は、雄のWistarラット220匹を、0、2.5、5および10 mW/cm^2の2.856 GHz放射に6分間/日、5日間/週、最長6週間ばく露した後、モリス式水迷路課題、脳電図(EEG)分析、海馬構造の観察およびウェスタンブロットを用いて、空間学習および記憶能力、皮質の電気的活動、海馬構造の変化およびNMDAR[N-メチル-D-アスパラギン酸NMDA)型グルタミン酸受容体]サブユニット発現を調べた。その結果、10 mW/cm^2ばく露群では、空間学習および記憶能力の低下、ならびにEEG障害(EEG周波数の低下、ならびにEEG振幅およびデルタ波パワーの上昇)が認められた。更に、10および5 mW/cm^2ばく露群では、海馬の基礎的構造および超微細構造の変化も認められた。著者らは、この結果は、連続マイクロ波ばく露が空間学習および記憶ばく露量依存的な長期的障害、EEGの異常、ならびに海馬構造の傷害を生じ得るということを示唆している;NMDARの重要なサブユニットおよびNR2Bのリン酸化の減少が認知障害に寄与しているかも知れない、と結論付けている。

ばく露