この研究は、無線周波(RF)ばく露と酸化ストレスの発生との間にあるかも知れないつながりを、RFばく露直後の細胞の酸化還元バランスの阻害を測定することによって調べた。線維芽細胞V79をGTEMセル内で1800 MHz RF(SAR1.6 W/kg)に10、30、60分間ばく露した。CCK-8比色アッセイで細胞の生存率を判定し、ジヒドロエチジウム染色で活性酸素種(ROS)のレベルを検出した。還元型グルタチオン(GSH)およびグルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)を用いて細胞の抗酸化活性を評価し、マロンジアルデヒドの濃度を測定することで脂質の酸化損傷を評価した。その結果、ばく露時間にかかわらず、V79細胞の生存率は通常の生理学的な数値の範囲内であった。60分間のばく露後に、スーパーオキシドラジカルのレベル上昇が認められた。10分間のばく露後に、有意に高いGSHレベルが認められたが、GSH-Pxの活性は有意ではなかった。ばく露した細胞サンプルにおける脂質の酸化損傷は認められなかった、と著者らは報告している。
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