この研究は、高校生の携帯電話使用の特徴、および高校の電磁界レベルと、自己申告の症状との関連を調べた。データは、2009年11月~2011年4月に実施したアンケート調査および学校での電磁界レベルの測定によって収集した。26の高校の生徒20493人から2530人のサンプルサイズが計算され、うち2150人(85.0 %)を分析に含めた。23の症状の頻度を質問し、携帯電話使用についての16の側面および高校の電磁界レベルに従って分析した(量反応関係を含む)。単変量分析にはχ^2および傾向性検定、多変量分析にはロジスティック回帰を用いた。その結果、参加者のうち2021人(94.0 %)が携帯電話を使用しており、129人(6.0 %)が使用していなかった。ユーザーのうち、49.4 %は通話時間が1日当たり10分未満で、52.2 %はメッセージを1日当たり75件以上送受信していた。携帯電話ユーザーでは、頭痛、けん怠感、睡眠障害がそれぞれ、1.90倍(95 %信頼区間(CI)=1.30-2.77)、1.78倍(1.21-2.63)、1.53倍(1.05-2.21)多く認められた。量反応関係は特に、ばく露[の尺度]としての1日当たりの通話件数、1日当たりの総通話時間、1日当たりのテキストメッセージ総数、夜間の携帯電話の位置および状態、ならびに充電中の通話と、一般的な症状としての頭痛、集中困難、けん怠感、睡眠障害、局所的な症状としての耳の温感および紅潮について認められた。著者らは、携帯電話使用と、特に頭痛、集中困難、けん怠感、睡眠障害および耳の温感との関連、ならびに量反応関係が認められた;基地局への近接度と幾つかの一般的症状との限定的な関連が見られたが、学校での電磁界レベルとの関連は認められなかった;と結論付けている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | mobile phone use: no |
集団 2 | mobile phone use: yes |
参照集団 3 | number of calls per day: < 1 |
集団 4 | number of calls per day: 1 - 4 |
集団 5 | number of calls per day: ≥ 5 |
参照集団 6 | total duration of calls per day: < 5 min |
集団 7 | total duration of calls per day: 5 - 9 min |
集団 8 | total duration of calls per day: 10 - 30 min |
集団 9 | total duration of calls per day: > 30 min |
参照集団 10 | status and position of mobile phone at night: off |
集団 11 | status and position of mobile phone at night: on, ≥ 1 m away |
集団 12 | status and position of mobile phone at night: on, 25 - 99 cm away |
集団 13 | status and position of mobile phone at night: on, 0 - 24 cm away |
参照集団 14 | position during daytime: does not carry, leaves at home or in a furniture at school |
集団 15 | position of phone during daytime: in the bag |
集団 16 | position of phone during daytime: in the pocket of overcoat or jacketthe bag |
参照集団 17 | status while studying: off |
集団 18 | status while studying: on, silent mode |
参照集団 19 | distance to base station: > 300 m |
集団 20 | distance to base station: ≤ 300 m |
参照集団 21 | exposure in school building: 1st quartile (≤ 0.602 V/m) |
集団 22 | exposure in school building: 2nd quartile (0.603 - 0.850 V/m) |
集団 23 | exposure in school building: 3rd quartile (0.851 - 1.51 V/m) |
集団 24 | exposure in school building: 4th quartile (≥ 1.52 V/m) |
タイプ | 値 |
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合計 | 2,240 |
評価可能 | 2,150 |
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