研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[ヒト被験者による50 Hzの電界の検知閾値] med./bio.

Detection-threshold of 50-Hz electric fields by human subjects

掲載誌: Bioelectromagnetics 1989; 10 (3): 319-327

この研究は、温度や湿度の条件を変えて、ヒト被験者によるAC電界の検出閾値を測定した。電界は手甲と手掌に与えたが、毛の動きが電界の検出にとって重要であるか否かを明らかにするために、毛のある皮膚および毛のない皮膚で実験した。被験者(男性7人と女性4人)での実験は、7月〜8月の高温多湿環境と、10月〜11月の低温乾燥環境で行った。その結果、夏に得られた閾値は、手甲の毛のある皮膚の場合には30〜65kV / mであったが、手掌の毛のない皮膚の場合は115kV / m(電源の限界による測定可能な最高値)を上回った;秋における閾値は、夏のものよりはるかに高かった;その違いの原因を探索したところ、湿度が主要因子であることを発見した、と報告している。さらに、20℃、乾燥(35%RH)および湿潤(85%RH)条件下での毛髪の静電容量測定により、女性の毛髪の相対誘電率を評価した。これら2つの条件で得られた比誘電率の値は、平均より数倍も異なった。乾燥および湿潤状態での電界検出閾値の差異は、それら状態で異なる相対誘電率に起因する可能性がある、と考察している。

研究目的(著者による)

異なる温度と湿度でのヒト被験者における交流AC電界の検知の閾値強度を調査すること。

詳細情報

毛の動きが界の検知にとって重要かどうかを明確にするため、毛が生えていない皮膚と毛が生えた皮膚を代表する、掌と手の甲をばく露した。
実験は、気候が高温多湿の7-8月と、空気が低温乾燥した10-11月に実施した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz

General information

Experiments took place during hot humid weather of July-August and dry cool air of October-November.

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • electric field
波形
  • sinusoidal
Additional information vertical electric field
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • 容量結合
  • two parallel electrodes/110 x 110 mm, upper electrode connected to a variable transformer
ばく露装置の詳細 The upper brass electrode was held 20 mm above the lower aluminum electrode by two insulating posts. The electrodes were movable so that the vertical electric field could be applied on any part of the hand. The lower electrode and the human body were grounded. The lower electrode was in contact with the skin. In the experiments during October-November, hand or forearm was placed inside a small acrylic box (50 x 50 x 50 cm³).
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
電界強度 115 kV/m unspecified 校正 - October-November experiments
電界強度 50 kV/m minimum 校正 - august experiments
電界強度 60 kV/m - 校正 - august experiments
電界強度 65 kV/m - 校正 - august experiments
電界強度 70 kV/m - 校正 - august experiments
電界強度 80 kV/m maximum 校正 - august experiments
電界強度 42.5 kV/m minimum 校正 - july experiments
電界強度 50 kV/m - 校正 - july experiments
電界強度 55 kV/m maximum 校正 - july experiments
電界強度 10 kV/m minimum 校正 - applied in coarse steps to estimate threshold
電界強度 30 kV/m minimum 校正 - applied in coarse steps to estimate threshold
電界強度 50 kV/m minimum 校正 - applied in coarse steps to estimate threshold
電界強度 70 kV/m minimum 校正 - applied in coarse steps to estimate threshold
電界強度 90 kV/m maximum 校正 - applied in coarse steps to estimate threshold

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
  • 感覚器
調査の時期:
  • ばく露中

研究の主なアウトカム(著者による)

夏に得られた閾値は、毛の生えた手の甲の皮膚で30-65kV/m、毛の生えていない掌の皮膚では115kV/m(電力供給の制限のため利用可能な最大の界)以上であった。
秋の閾値は夏よりも高かった(湿度がこの差の主な要因)。

研究の種別:

研究助成

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