この研究は、UHF(300-3000MHz)およびVHF(30-300MHz)の無線周波(RF)電磁界にばく露した作業員における心臓血管系の障害のメカニズムを評価した。UHF、VHF、UHF+VHFにおけるばく露電界強度の最大値、平均値、生涯就業期間中の総ばく露量をクライテリアとして分類された、低レベルばく露群59人、高レベルばく露群12人、対照群42人について、安静時心拍を512拍データ採取して心拍変動(HRV)を分析した。その結果、両ばく露群では対照群に比べ、心拍数が高かった;低レベルばく露群では対照群に比べ、R-R間隔の標準偏差(STD R-R)が有意に低かった;さらに高レベルばく露群では、STD R-R 低下が有意に増加した;両ばく露群では対照群に比べ、VLF、LHパワー値が有意に高かった;両ばく露群では交感神経優位という特徴が見られた、と報告している。
個々のばく露レベルに応じて作業者を2つのばく露群に分類した:低レベルばく露群(生涯の電界強度の平均:288 V²h/m²(UHF)、6570 V²h/m²(VHF)、6848 V²h/m²(UHF+VHF);平均値:0.1 V/m(UHF)、0.3 V/m(VHF)、0.3 V/m(UHF+VHF);最大値:5.3 V/m(UHF)、0.9 V/m(VHF)、7.9 V/m(UHF+VHF))、高レベルばく露群(生涯の電界強度の平均:130130 V²h/m²(UHF)、640583 V²h/m²(VHF)、771200 V²h/m²(UHF+VHF);平均値:1.1 V/m(UHF)、2.5 V/m(VHF)、2.7 V/m(UHF+VHF);最大値:6.8 V/m(UHF)、15.2 V/m(VHF)、16.7 V/m(UHF+VHF))。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 非ばく露作業者 |
集団 2 | 低レベルばく露作業者 |
集団 3 | 高レベルばく露作業者 |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 71 | 42 |
ばく露された作業者71人のうち36人(51%)が、呼吸困難、胸の痛みや不快感、または不整脈の感覚を含む心臓血管症状を報告した。対照群では、15人(29%)の作業者が同様の愁訴を報告した。心拍は、ばく露されなかった作業者よりもばく露された作業者の方が高かった。RR間隔の標準偏差は、低レベルばく露群(平均±標準偏差:42.5±24.7 ms)の方が対照群(62.9±53.5 ms)よりも低かった。RR間隔の標準偏差の低下のリスクは、高レベルばく露群で有意に上昇した(OR 2.37;p=0.023)。どちらのばく露群も、対照群と比較して、有意に高い超低周波及び低周波のパワースペクトル値を示した。ばく露群は、交感神経系の優位によって特徴付けられた(低周波/高周波の比1.3±0.35)。
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