この論文は、著者らが以前に実施した磁界ばく露と流産に関する妊婦コホート研究(2002年)のコホート1063人から正常に出産された子供733人について、医療記録に記載された13歳までの体重(平均計測回数33回)と身長(同13回)と胎児期磁界ばく露の関連を調べた。肥満度の判定は2000年のCDC成長チャートに基づき、年齢別に体重の97.5thパーセンタイル値を肥満のカットオフ値とした。その結果、対象者の12.9%が肥満と判定された;磁界ばく露レベルカテゴリーは、24時間計測値の90thパーセンタイル値での1.5mGをカットオフ値として、それを上回るものをばく露群、以下のものを参照群とした場合、肥満のオッズ比は1.69(95% 信頼区間1.01-2.84)であった;1.5mGを上回るものを高ばく露群とした場合、肥満と磁界ばく露レベルとの量反応関係が見られた、などの所見を報告している。但し、食習慣・テレビ視聴時間・運動量など子供の成長過程での行動に関する情報が得られたのは対象の内の42-46%であり、その範囲でのみ交絡因子の調整を行ったが、結果に影響はなかったと述べている。
本研究は、1996-1998年に採用されたカイザー・パーマネント北カリフォルニア地区の妊娠した会員における、流産のリスクに対する電磁界へのばく露の影響を調査するために実施した前向きコホート研究(Li他、2002)に基づく。子どもの誕生後、1人あたり平均で33回の体重測定を含む成長パターンについての情報を収集するため、13歳までフォローアップした。体重と慎重を同じ日に測定した場合、肥満度指数(BMI)を計算した。体重は太り過ぎ/肥満の主な尺度である。年齢別の体重のパーセンテージを判定するため、「疾病管理予防センター(CDC)の成長チャートのための2000のセンター」を用いて、肥満のカットオフとして97.5thパーセンタイルを定義した。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 母親の磁界ばく露、24時間測定、< 90パーセンタイル: ≤ 0.15 µT |
集団 2 | 母親の磁界ばく露、24時間測定、< 90パーセンタイル: > 0.15 µT |
集団 3 | 母親の磁界ばく露、24時間測定: > 0.15 - 0.25 µT |
集団 4 | 母親の磁界ばく露、24時間測定: > 0.25 µT |
タイプ | 値 |
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合計 | 829 |
評価可能 | 733 |
磁界レベル(> 0.15µT)への出生前ばく露は、0.15µT未満のより低い磁界レベルと比較して、肥満のリスク上昇と関連していた(OR 1.7;CI 1.01-2.84)。肥満度指数が計算された子供についても同様だが有意ではない結果が認められた。出生前ばく露と肥満との関連は量‐反応関係を示し、関連は研究終了までフォローアップした子どもでより強かった。
著者らは、妊娠中の母親の高い磁界へのばく露は、子どもの肥満と太り過ぎの世界規模の流行に寄与する、新たな、これまで知られていなかった要因かも知れない、と結論付けている。
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