著者らは、以前から、がん細胞の増殖に重要な役割を持つA3アデノシン受容体(ARs)に対するパルス電磁界(PEMFs)の影響を実験で調べ、PEMFsがヒト好中球、ヒトおよびウシの滑膜細胞、ウシ軟骨細胞においてA2AおよびA3ARの密度と機能を高め、A2Aおよび/またはA3AR介在性の抗炎症効果を高めることを報告した。今回の研究は、PEMFsがA3ARsの抗腫瘍効果を高めるか否かを、ラットの副腎由来褐色細胞腫PC12およびヒト神経膠芽腫細胞株U87MGとラットで比較検討した。その結果、PEMFsばく露により、アデニル酸環化酵素活性およびcAMP産生と結びついたA2AおよびA3ARの上方調節が見られた;このようなA2AおよびA3ARの活性化の結果、腫瘍細胞の核内因子カッパB(NF-kB)レベル低下が生じる一方、p53発現上昇にはA3ARのみが関与した;A3ARの刺激が腫瘍細胞増殖の阻害を仲介した;乳酸脱水酵素放出による細胞毒性上昇およびカスパーゼ3活性化によるアポトーシスがPC12およびU87MGでは見られたが、皮質ニューロンでは見られなかった、などの所見を報告している。
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