この研究は、交流磁界(AC-MF)への長期ばく露を受けた健康なラットおよび糖尿病ラットからばく露後に単離された胸部大動脈輪の収縮および弛緩パラメータへの影響を調べた。体重250〜300gの60匹のラット(Wistarアルビノ)を4群に分けた:1) 対照(C)、2) 対照+AC磁界(C + AC-MF)、3) 実験的糖尿病(DIA)、4) 実験的糖尿病+AC磁界(DIA + AC-MF)。AC磁界は、向きは南北方向、磁束密度5 mT、周波数50 Hzで、1ヶ月間、毎日2時間ばく露が与えられた。その後ラットは屠殺され、胸部大動脈が摘出され、反応性が試験された。その結果、Cと比較してC + MAおよびDIA + MAの胸部大動脈輪では、フェニレフリン(PE)に対する収縮反応の減少およびアセチルコリン(ACh)に対する弛緩反応の増加が見られた;しかし、CおよびDIAと比較してC + MAおよびDIA + MAの胸部大動脈輪のニトロプルシドナトリウム(SNP)に対する弛緩反応に変化はなかった;DIAおよびCと比較してDIA + MAまたはC + MAの体重は減少した、と報告している。
糖尿病ラットは、脾臓のベータ細胞を選択的に破壊する毒素であるステプトゾトシン45mg/kgの注射で創出した。健康なラットはクエン酸緩衝液の(偽の)注射を受けた。
ラット60匹を4群に分けた(各n=15):1) 磁界ばく露した健康なラット、2) 磁界ばく露した糖尿病なラット、3) 対照の健康なラット、4) 対照の糖尿病ラット。
ばく露後、全てのラットを屠殺し、胸部大動脈を単離した。長さ3-4mmの大動脈リングを作成し、血管収縮薬(10-7 Mのフェニレフリン)または血管拡張剤(10-6 Mのアセチルコリン、または10-6 Mのニトロプルシドナトリウム)のいずれかを含む試験液に浸した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
intermittent (30 min on - 15 min off) for 2 h/day during 1 month
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(EMF-Portal注記:結果の統計的有意性は文中及び表に明確に記述されていなかったので、以下では考慮できなかった。)
健康なラット(グループ1及び3)の体重は時間と共に増加したが、糖尿病ラット(グループ2及び4)の体重は時間とともに減少した。
磁界ばく露した健康な及び糖尿病のラット(グループ1及び2)では、それぞれの対照群(グループ3及び4)と比較して、血管収縮力がフェニルアラニン添加後に減少し、血管拡張はアセチルコリン添加後に増加したが、ニトロプルシドナトリウム添加後には増加しなかった。
著者らは、健康な及び糖尿病のラットの50Hz磁界への慢性ばく露は、単離した胸部大動脈リングの血管収縮及び血管拡張に対して影響を及ぼすかも知れない、と結論付けている。
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